繰越利益剰余金とは？

「繰越利益剰余金って会社が持つお金のこと？」

「利益剰余金とはどう違うの？」

繰越利益剰余金は売上等と異なり、抽象的で分かりにくい科目ですよね。

そこで今回は、繰越利益剰余金の意味や利益剰余金との違い等について解説いたします。

繰越利益剰余金とは、創業からこれまでの利益合計額のことです。

前期までの利益合計（繰越利益）に当期の利益（当期純利益）を足し、配当金等の金額を差し引きます。

配当していない会社の場合は「前期までの繰越利益+当期純利益」の金額です。創業時からの当期純利益を当期まで足していくと繰越利益剰余金になります。

利益という名称なため黒字でプラスのイメージがありますが、赤字が続けば繰越利益剰余金がマイナスになることもあります。 

繰越利益剰余金は貸借対照表の純資産の部に位置する科目です。

その位置付けを確認しましょう。

繰越利益剰余金は、純資産のうち「利益剰余金」の区分に該当します。さらに「利益剰余金」は「利益準備金」・「その他の利益剰余金」の科目があり、その他の利益剰余金」は「任意積立金」と「繰越利益剰余金」の科目で構成されています。

よって、繰越利益剰余金は「その他の利益剰余金」の１つの科目なのです。

繰越利益剰余金は、創業からこれまでの、利益から配当や各種積立金を除いた総合計です。

黒字が続けばプラスになりますが、大きな赤字が続けばマイナスになることもあり、その企業のこれまでの実績を判断できる指標となります。

繰越利益剰余金と共に周辺の科目についての理解を深め、正しい会計処理を行いましょう。

仕訳例も掲載しましたので、ぜひお役立てください。