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新潟市の融資制度を解説

新潟市で創業融資を受けるには

飲食店や工場、IT企業を始めるなら、まずは起業をしなければいけません。しかし、起業にはなにかとお金が必要です。

そのため、自己資金の不足により、行政や金融機関からの融資を検討している人もいるでしょう。

そこで、この記事では新潟市の創業融資を解説します。新潟市内で起業や創業を検討している人は参考にしてみてください。

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主な創業融資は新創業融資制度と制度融資

起業時や創業間もないときに利用できる創業融資は主に2種類あり、新創業融資制度と制度融資です。

創業融資を受けたい人は、まずはそれぞれの融資制度の特徴を確認してみましょう。

新創業融資制度

新創業融資制度は日本政策金融公庫で行っている融資制度であり、創業前や創業直後の事業者は原則として無担保・無保証で利用できます。

日本政策金融公庫は政府系金融機関で、個人事業主や中小企業など、小規模な事業者に対して積極的に融資を行っています。

資金の使い道 創業資金や創業後の設備資金・運転資金
融資限度額 3,000万円(うち運転資金1,500万円)
担保・保証人 原則不要
年率 2.362.85%(基準利率/令和3111日時点)

新創業融資制度は創業時だけでなく、創業後(事業開始後税務申告を2期終えるまで)も利用できます。しかし、新創業融資制度は誰でも利用できるわけではありません。なぜなら、融資を受けるためには審査を通過しなければならないからです。

新創業融資制度では面談と審査が必要

新創業融資制度に限らず、日本政策金融公庫で融資を受けるためには日本政策金融公庫の担当者と面談をして、創業計画書などをもとにどのような事業をやりたくて、どのような売上の立て方を想定しているのかということを説明しなければいけません。

面談と提出した必要書類をもとに審査が行われますので、条件を満たせば融資を受けられるというわけではないことは、覚えておいてください。

制度融資

制度融資とは、「自治体」「金融機関」「信用保証協会」が協力して融資を行う仕組みのことを言います。信用保証協会とは、中小企業等の資金調達を円滑にすることを目的とした公的機関で、全国各地に信用保証協会が設けられています。 

制度融資を利用する流れは、開業したい事業者から資金借り入れの申し込みを受けた自治体は、金融機関に対して融資の斡旋を行い、金融機関を通して事業者は信用保証協会の審査を受けます。そして、信用保証協会の審査に通過したのち、改めて金融機関の審査を受け、融資を実行するかどうかは判断されます。 

金融機関と信用保証協会の両方の審査に通過する必要があります。そのため、金融機関の審査に通過しても、信用保証協会の審査に通過しなければ、制度融資を受けられません。その逆も同様、信用保証協会の審査に通過しても、金融機関の審査に通過しなければ、融資を受けることはできませんので、注意が必要です。

新潟市の創業融資「中小企業開業資金」

スモールビジネス

全国でさまざまな制度融資が設けられていますが、新潟市では中小企業開業資金という創業融資を独自で行っています。

事業を運営するためには、事業を回していくために必要になる運転資金とサービスを提供するために必要になる設備などにかかる、設備資金の大きく2つの資金が必要になります。

中小企業開業資金では運転資金と設備資金それぞれの用途で、融資を受けることができます。

【中小企業開業資金の概要】
  一般開業 創業関連保証
融資限度額 500万円 3,000万円
借入期間

運転資金:7年(うち据置1年以内)

設備資金:10(うち据置1年以内)

運転資金:7年(うち据置1年以内)

設備資金:10年(うち据置1年以内)

年率

5年以内:年1.80パーセント

5年以上:年2.00パーセント

5年以内:年1.80パーセント

5年以上:年2.00パーセント

融資上限額は条件によって異なりますが、融資限度額以外は一般開業でも創業関連保証でも特に条件は変わりません。

ただし、新潟市創業支援等事業計画を利用すると、創業関連保証において利子の優遇措置を受けられます。

新潟市創業支援等事業計画は新潟市独自の優遇が受けられる

新創業融資制度や制度融資は、日本政策金融公庫や地方自治体の取り組みで、反社や風俗業など、公序良俗に反するような企業でなければ、基本的にどんな事業者でも利用できます。

新潟市でも地域の創業を促進するため、市内で起業を検討している、もしくは創業5年未満の事業者に向けて、新潟市創業支援等事業計画という独自の仕組みを設けて事業者を支援する取り組みを行っています。

新潟市と新潟IPC財団や商工団体、地域金融機関が連携して開催しているセミナーや創業に関する相談やビジネスプランの作成などの講座を定期的に受講することで、起業や創業に関わる様々な面で優遇措置を受けられます。

新潟市創業支援等事業計画の優遇措置

創業支援等事業計画では様々な優遇措置を設けています。なかには起業を検討している人や創業して間もない人が知っておくとお得かもしれない優遇もあります。

ただし、事業者の状況に条件よっては対象外となることもあるので注意が必要です。

融資の利子を市が全額負担してくれる

新潟市創業支援等事業計画ではセミナーや相談会を定期的に利用している事業者で、かつ中小企業開業資金の創業関連保証を利用していると、借入に対して発生した利子をおよそ3年間、市が全額負担してくれるという優遇を行っています。

ただし、これは市内で6か月以内に創業もしくは会社設立により創業をする人、もしくは市内で開業後6か月未満の人が対象となるので、利用する前は自身が条件に該当しているのかどうか、確認をしましょう。

審査で加点や補助率や補助期間拡充の対象になる

新潟市では市内での創業を支援するために創業サポート事業を行っています。創業サポート事業では市内で飲食店など店舗を構えて事業を行いたい人や市内に事業所としてオフィスを構えたい人に向けて、店舗賃借料や家賃の補助を行っています。

ただし、創業サポート事業は市内の空き店舗や空きオフィスを有効活用するためのもので、利用できる人員には限りがあります。

そこで、創業サポート事業の利用に当たっては審査を受けることになります。審査は事業の目的や目標、事業の内容や実現性、地域社会への貢献度合いや事業に継続性があるかなどの観点で評価されます。

新潟市創業支援等事業計画を利用していて、特定創業支援を受けたことの証明を受けると審査で加点の対象になるほか、採択されれば補助率や補助期間の拡充がされることもあります。

新創業融資制度の自己資金要件を満たしたことにできる

日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用するときも、新潟市創業支援等事業計画で特定創業支援を受けていると、申請時に優遇されます。

新創業融資制度には自己資金要件というものが設けられていて、創業時には創業資金の10分の1の自己資金を用意しなくてはいけないことになっています。しかし、特定創業支援を受けていると、自己資金要件を満たしているとして利用できます。

創業前、もしくは創業後税務申告を2期終えていない事業者が対象ですが資金繰りに不安がある事業者は利用を検討してみましょう。

新規開業支援資金の貸付利率が引き下げられる

日本政策金融公庫には新規開業支援資金という融資制度があります。新たに事業を始めるときや事業開始後7年以内に利用でき、設備資金や運転資金として融資を受けられます。

特定創業支援では新規開業支援資金で発生する貸付利率の引き下げの対象となります。

小規模事業者持続化補助金の補助上限額の拡充

小規模事業者向けの補助金である小規模事業者持続化補助金(一般枠)の補助上限額が50万円から100万円に引き上げられます。補助金を申請する際に、創業支援を受けたことの証明書を添付します。

登録免許税が半額になる

株式会社などを設立するときは、登記申請を行わなくてはいけません。その時に手数料として支払うのが登録免許税です。

登録免許税は設立する会社の形態や資本金の額によって変動しますが、株式会社の場合は最低でも15万円は必要です。

新潟市創業支援等事業計画で特定創業支援を受けていれば、この登録免許税が半額になります。

ただし、対象となるのは創業前の人、もしくは創業後5年未満で法人成りする個人事業主なので注意しましょう。

新潟市創業支援等事業計画を利用する流れ

新潟市創業支援等事業計画は利用したいと思ってもすぐに利用することはできません。

新潟市創業支援等事業計画を利用する流れは次の通りです。

創業支援機関で特定創業支援等事業を利用する

新潟市創業支援等事業計画は利用するためには、前提条件として創業支援機関で特定創業支援等事業を利用していなければなりません。

特定創業支援等事業では「経営」「財務」「人材育成」「販路開拓」の4つの知識を習得することを目指さなければいけません。知識の習得を目指し、継続的な相談窓口の利用やセミナーなどを受講しましょう。

申請書を提出する

4回以上、かつ1か月以上にわたり、所定の相談窓口やセミナーを受講すると特定創業支援等事業を利用した証明書が発行されます。この証明書を得ることで初めて、新潟市創業支援等事業計画のさまざまな優遇を利用できます。

証明書は自動的に発行されるわけではありません。「証明書が欲しいです」と申請書を新潟市へ提出しないといけないので、注意してください。

証明書を受領したら各機関へ指示して利用する

証明書を獲得したら、優遇を受けたいそれぞれの機関に証明書を提出してサービスを受けましょう。

新潟市で行っている創業支援は他にもある

新潟市ではすでに説明した中小企業開業資金や創業サポート事業のほかにも、創業に関わる支援を行っています。

自身の状況に合うもので、興味を持ったものがあれば、利用を検討してみてください。

創業相談窓口

起業をしたいと思い立っても、明確なビジネスプランがなければにっちもさっちもいきません。

必要なのはどんなビジネスを行いたいのか、目標を明確に定めておくことです。

しかし、1人で悶々とビジネスプランを考えていても、慣れていないとうまく考えをまとめることが難しいでしょう。

新潟市の創業相談窓口では起業をしてみたいけど、うまくビジネスプランも立てられないという人の相談に乗ってくれる場所です。どうして起業したくなったのか、どの動機を担当者と一緒に整理していったり、明確な目標を設定していったりすることで、漠然としていた「起業」に現実味を持たせることができることでしょう。

ほかにも「今すぐにでも起業したい!」という行動力溢れる人の相談にも対応しています。

起業のことで悩みや不明点があれば、とにかく一度創業相談窓口に足を運んでみるのもいいかもしれません。

チャレンジショップ

チャレンジショップは新潟市中央区の西堀前通地下「西堀ローサ」内にある店舗を1.89,000円から原則2年間利用でき、お店を出店できるというものです。

創業を目指す人や新規事業の展開を検討されている人が、実際に出店して事業の調子を確かめることができます。

経営のアドバイスを受けることもできるため、将来の独立開業のシミュレーションとしても役立つでしょう

新潟雇用労働相談センター

新潟雇用労働相談センターは開業直後の企業や海外からの進出企業などが、雇用条件をきちんと満たして、労働者がきちんと働けるように弁護士や社会保険労務士による各種相談サービスを提供しています。

雇用条件や労働環境について不安がある事業者は一度相談に行かれてもいいでしょう。

にいがた未来想像部

にいがた未来想像部は創業しやすい環境を整えるために、事業アイディアの考え方や経営を学んだり、実際に先輩起業家の話を聞く機会を提供したりといった活動を行っています。

にいがた未来想像部の活動を通して起業家や事業者同士のつながりを持つことができるため、起業に興味を持たれている人は、催されているイベントやワークショップに足を運んでみてください。

まとめ

新潟市では創業融資を受けやすくするために、新潟市創業支援等事業計画という優遇措置を設けています。

一定の条件を満たせば日本政策金融公庫や制度融資の審査や金利の面で優遇されます。

新潟市創業支援等事業計画以外にも、新潟市にはさまざまな創業者を支援する仕組みがあります。起業を考えている人や創業間もない事業者は利用を検討してみてください。

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