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法人成りしても思ったほど節税効果が得られなかったり、事業をコンパクトにまとめたくなったりした際には、個人事業主に戻る(個人成り)ことになるでしょう。
そこで今回は、個人成りの手順とメリット・デメリットについて解説いたします。
法人成りと比べると、個人成りは比較的簡単です。
個人事業主に戻る時期だと感じたら、さっと個人事業主に戻れますよ。
個人成りまでの手順は3つ。法人をたたみ、個人事業を開始し、資産を引き継ぎます。
まずは法人の活動をストップします。
解散または清算して事業活動を完全にやめるか、一時的に休業させるか決めましょう。
一般的に、休業させることが選ばれやすい傾向にあります。
コストが安く、法人に戻す際も比較的容易に戻れるためです。
株主総会で解散決議を取り、清算人を選任します。
解散と清算人の登記を行います。
清算事務を経て、株主総会の承認を得ます。
清算結了登記を行えば、完了です。
事業活動の停止後、税務署に「休業届」「給与支払事務所等の廃止届出書」「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」を提出します。
都道府県税事務所と市区町村に「休業届」を提出します。
管轄の税務署に「開業届」を提出します。
必要なら「青色申告承認申請書」や「青色事業先住者給与に関する届出」等も提出しましょう。
社会保険は国民健康保険や国民年金へ切り替えます。
法人名義の不動産や社用車等は、個人で買い取って名義変更します。
個人に名義変更した際の代金は、法人の債務返済や清算費用に充てます。
それでもお金が残れば株主へ分配します。
なお法人名義の資産を個人に売却した際には、売却益に税金がかかります。
それではタダ同然の安い金額で売却すれば良いのかと言うと、そうでもありません。
売却額は原則として時価で決める必要があり、不当に安い金額で取引した場合は、買い取った個人の側でみなし譲渡所得となり、課税される恐れがあるのです。
資産売却は時価で行いましょう。
個人事業主から法人成りした際にも、メリットとデメリットを比較検討されたことでしょう。
それと同様に、個人成りした場合のメリットとデメリットも確認しておきましょう。
法人をたたみ、あなた自身が経営者から個人事業主に戻ると、厚生年金や健康保険(協会けんぽ等)から抜けて、国民年金と国民健康保険等に加入することになります。
一般的には、法人で社会保険に加入している間よりも保険料が安くなるケースが多いため、金銭的な負担が軽減される可能性が高いと言えます。
しかし、国民健康保険は所得に連動して保険料が決定するため、必ずしも安くなるとは言い切れません。
個人成りする前に、保険料がいくらになるかを試算しておきましょう。
法人から個人成りすると、見かけ上は個人事業を新規で立ち上げることになります。
消費税は前々年または前々事業年度(つまり2年前)の課税売上高が1,000万円以下である場合に課税されるので、個人事業主に戻った後、2年間は消費税の納税が免除されるのです。
ただし、インボイス登録した場合は個人成り2年以内であっても消費税は納税しなければなりません。
なお法人成りした際も同様に、2年間の消費税納税が免除されます。
この制度を利用して2年おきに法人成りと個人成りを繰り返していると、脱税行為とみなされる恐れがありますのでご注意ください。
申告決算業務がなくなり、事務業務が大幅にカットされます。
法人税等の申告業務は基本的に経理事務を雇用し、税理士に依頼することになります。しかし個人事業主の確定申告のみであれば、本人が自力で実施することも可能です。
コストと時間の圧縮が可能なのです。
確定申告は今やスマートフォンからでも手軽に行える時代です。
申告決算業務がストレスになっているのなら、個人成りして確定申告のみに切り替えた方が良いのかもしれません。
法人から個人成りする最大のデメリットと言えるでしょう。
中企業や大企業は、個人事業主と取引せず、取引先を法人に限定していることも珍しくありません。
また金融機関からの融資を受けにくくなる恐れも出てきます。
既に顧客がついており、なおかつ事業を縮小するため個人成りするのなら問題はないでしょう。
しかし今後継続的に新規開拓を続けるならば、これまでよりも営業が通りにくくなることも念頭に入れておくべきです。
業務の際に必要となる許認可を取り直す必要があります。
失念すると保健所等から連絡が来ますのでご注意ください。
高齢になり、若い頃と同じように働くのが難しくなってきたならば、個人成りによる規模縮小を検討しましょう。
後継者に引き継がせるのも手段です。しかし生涯現役のつもりで働き続けるのならば、体力に相応しい事業規模を模索することも仕事の一つと言えるでしょう。
加齢による衰えは誰にでもやってきます。
取引先に迷惑をかけないように、自分に合った業務量になるよう調整しましょう。
特に決算申告業務にストレスを感じている場合は、個人成りすることでストレスから解放されるでしょう。
事務業務は向き不向きがあります。税理士等に丸投げしたとしても、最低限は社内で取りまとめる必要もあります。
仮に事務員を雇用していても、社長が見なければならない項目はあるはずです。
このような事務業務は、個人成りすることでかなり縮小できます。
確定申告一本になるため、申告業務は格段に易しくなります。
経理を勉強すれば自分一人で確定申告することも可能ですし、税理士に依頼するにしても非常に楽になります。
事務業務に関するストレスは激減するでしょう。
また法人であれば経理事務のような、売上に直接関与しない部署が絶対に必要です。
しかし個人成りすれば事務員が不要になるかもしれません。
決算業務が安易になるため、会計ソフトやAI等を駆使すれば帳簿付け等も比較的早く正確に遂行できるためです。
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